【後編】「素材とのコミッションワーク」そこにしかないこだわりを。
12月15日号
【前編】「愛と、アートがある食事」スマイルズが提案するアートのある空間。の続き。
前編あらすじ。
2016年11月、中目黒にオープンした「LOVEとART」がテーマのお店「PAVILION(パビリオン)」
こちらを運営しているのが今回紹介する「Soup Stock Tokyo」を立ち上げた「スマイルズ」である。
(2016年2月に「株式会社スープストックトーキョー」として分社化された。)
スマイルズは、PAVILIONという今までなかった現代アートのある店舗を創り出した。
だが、スマイルズにとって店舗にアートがあることは「はじめてではない」。
これまでの「Soup Stock Tokyo」の店舗には必ずアートが展示されている。
そのアーティストの名前は「遠山正道」。
スープストックトーキョーの会長であり、スマイルズの代表である。
今回、2016年11月に中目黒高架下にオープンした「Soup Stock Tokyo 中目黒店」にコミッションワークとして制作された遠山さんの作品を紹介しよう。 ※コミッションワークとはその場所に合わせて制作されたアートワークのこと。
スマイルズの経営者として知られる遠山さんだが、それより以前、会社員時代に個展を開催するほど、もともと彼はアーティストだ。自身の会社の店舗にアートを飾ることはいわば当たり前の事なのかもしれない。今回のSoup Stock Tokyo 中目黒店のアート作品はこれまでで、一番大きな作品になった。
中目黒店の内装テーマは「素材」
「素材」はスープの中の野菜やお肉、スパイスなどにいえるワード。そこから、店内を構成する内装の「素材」に注目し、引き立てた。コンクリート、テラゾー(人工大理石)、タイル、木、真鍮(しんちゅう)などの素材を活かした内装になっている。
床にスープが流れだし、広まっていく素材をテラゾーで表現している。
こだわりや、ストーリーの設定がまた面白い。
店内は大きな棚もあることから特に、「真鍮の素材」が目立つ。
遠山さんはこの真鍮のゴールドから、古き日本の造形芸術である襖や屏風に着想した。
遠山さん:「広い壁面だったので、琳派(りんぱ)の襖、或いは六曲の屏風をイメージしながら池のそばに漂う杜若(かきつばた)や藻、蕨(わらび)、金雲などの印象を、自分の指や掌で、自由に拡がりをもってのびのびと描いたもの。」
写真では伝わりにくいかもしれないが、このタイルの上に描いているのでなく焼き物で有名な愛知県・常滑に出向き、絵を描き、作品を制作。そして、釜で焼き上げている。
中目黒の店舗以外にも、スープストックトーキョーの店舗には、そこにしかない空間やこだわりがある。
そして、遠山さんの作品も。
ぜひ、お店へ行かれた際には遠山さんの作品を探してみてはどうだろうか。
今後のプロジェクトも、楽しみでたまらない。
kakite by kakiuchi naomi / photo by hashimoto mika(クレジットが入っている写真を除くすべて)
Soup Stock Tokyo 中目黒店
住所:東京都目黒区上目黒1-22-12 中目黒高架下
営業時間:平日8:00-22:30(22:00 L.O)
土日祝:10:00-21:30(21:00 L.O)
電話番号:03-6303-3909
座席数:56席(店内:44席、テラス席:12席)
http://www.soup-stock-tokyo.com/